「放電加工を外注したいけれど、費用の相場がわからない」——初めて放電加工を依頼する方からよくいただく質問です。
放電加工の費用は、加工の種類・材質・サイズ・精度・数量・納期によって大きく変動するため、「1穴いくら」「1個いくら」と一律で示すことが難しい加工です。しかし、おおよその時間単価の目安と、費用に影響する要因を知っておけば、見積り金額が妥当かどうかを判断する基準になります。
この記事では、放電加工歴40年の実務経験をもとに、費用相場の目安・コストの構造・賢い見積り依頼の方法を解説します。
放電加工の時間単価の目安
放電加工の費用は、多くの場合「時間チャージ(加工時間×時間単価)+セットアップ費用」という構造になっています。以下は業界の一般的な目安です。
加工種類別の時間単価
| 加工種類 | 時間単価の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 形彫放電加工 | 5,000〜10,000円/時間 | 電極製作費が別途加算されるケースが多い |
| ワイヤー放電加工 | 4,000〜8,000円/時間 | ワイヤー消費量に応じた材料費が含まれる場合あり |
| 細穴放電加工 | 500〜2,000円/穴(簡易な穴の場合) | 深さ・穴径により変動。定額料金の場合もある |
※上記はあくまで一般的な目安であり、工場の規模・設備・技術力・地域によって差があります。
セットアップ費用の目安
| 項目 | 目安金額 |
|---|---|
| 基本セットアップ費 | 2,000〜5,000円/回 |
| 電極製作費(形彫の場合) | 5,000〜50,000円+/本(形状・材質による) |
| プログラミング費(ワイヤーの場合) | 3,000〜20,000円(形状の複雑さによる) |
放電加工の費用を左右する7つの要因
同じ「放電加工」でも、以下の7つの要因によって費用は大きく変わります。
要因①:加工体積と切断距離
形彫放電加工では除去する金属の体積が、ワイヤー放電加工では切断する距離と板厚が、直接的に加工時間に影響します。加工時間が長くなるほど、費用は高くなります。
要因②:要求精度と面粗度
高精度(±0.01mm以下)や良好な面粗度(Ra0.5μm以下)が求められる場合、仕上げ加工の回数が増えるため加工時間が長くなります。一般公差で良い場合の2〜3倍の時間がかかることもあります。
要因③:材質
超硬合金、インコネル、チタン合金などの難削材は、放電加工では硬度に関係なく加工可能ですが、電極の消耗が通常より大きい場合があり、電極交換の頻度やサブ電極の用意などにより費用が加算されることがあります。
要因④:電極の複雑さ(形彫の場合)
電極の製作コストは、形状の複雑さに比例します。単純な丸穴・角穴であれば既製品の電極材を加工するだけですが、3次元曲面や微細形状の電極はマシニングセンタでの精密加工が必要になり、費用が増加します。
要因⑤:数量(ロット)
放電加工は段取り(セットアップ)に一定の時間がかかるため、1個あたりの単価は少量ほど割高になります。しかし、形彫放電の場合は電極を再利用できるため、リピート品は電極製作費が不要になりコストが下がります。
要因⑥:納期
通常納期(5〜10営業日程度)であれば追加料金は発生しないのが一般的ですが、特急・即日対応の場合は割増料金が発生する場合があります。割増率は工場によりますが、1.3〜2.0倍程度が相場です。
要因⑦:ワークのサイズと重量
大型のワークは加工機への搬入・搬出や位置決めに時間がかかるため、セットアップ費用が増加します。また、加工機のテーブルサイズや槽サイズの制約で対応できる工場が限られることもあり、その場合は費用が高くなる傾向があります。
具体的な費用イメージ
参考として、一般的な加工例の費用感をお示しします(概算であり、実際の費用は個別見積りが必要です)。
| 加工内容 | 概算費用のイメージ |
|---|---|
| SKD11に角穴1箇所(10×10mm、深さ20mm) | 15,000〜30,000円 |
| タップ折れ除去(M6、1箇所) | 8,000〜20,000円 |
| ワイヤーカットで輪郭切り出し(100mm角、板厚30mm) | 10,000〜25,000円 |
| 金型キャビティ加工(複雑な3D形状、電極製作含む) | 50,000〜300,000円+ |
※あくまで参考値です。材質・精度・数量・納期により大幅に変動します。
見積り依頼時に伝えるべき5つの情報
正確な見積りを素早く受け取るには、以下の情報を加工工場に伝えることが重要です。
- 図面または加工図:CADデータ(DXF、STEP、IGES等)またはPDFがベスト。手書きスケッチ+写真でもOK
- 材質:ワークの材質(例:SKD11焼入れHRC58、SUS304、超硬V30など)
- 数量:何個加工するか。リピート品かどうか
- 要求精度:公差が指定されている場合はその値。未指定の場合は「一般公差でOK」か「高精度が必要」か
- 希望納期:通常(1〜2週間)か、特急(即日〜数日)か
これらの情報が揃っていれば、多くの加工工場は半日〜1日以内に見積りを回答できます。
同じ放電加工でも、材質と形状によって費用の考え方が変わります。とくに次の領域は、加工時間が長くなるぶん見積りの幅も大きくなります。
- 超硬・タングステンの加工
材料費と加工時間の両方が効いてくる領域 - 大型・厚物・深物の加工
段取りと加工時間が費用を左右する - 深穴加工
深さによって費用が大きく変わる
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正式見積りの前に、概算だけ知りたい方へ
相場を調べても、自分の部品がいくらになるかは分かりません。「だいたいの費用感だけ知りたい」という段階のご相談も歓迎です。社内の予算取りや、内製との比較検討にお使いください。
これだけ分かれば概算を出せます
- ・形状(穴・溝・ポケットなど)とおおよその寸法
- ・材質と熱処理の有無
- ・数量(1個からで結構です)
- ・希望納期
- ・図面は無くても構いません(写真・手描きで可)
費用を下げやすい箇所
- ・面粗さの指示を必要な面だけに絞る
- ・公差を機能上必要な範囲まで緩める
- ・電極を共通化できる形状にそろえる
- ・特急指定を外して通常納期にする
- ・複数部品をまとめて発注する
「いくらぐらいか知りたいだけ」で構いません。
正式な発注前提でなくても回答します。概算・納期・どこを緩めれば安くなるかまでお伝えします。内製と外注のどちらが得かの比較でもご相談ください。当社で対応できない場合は、その旨をはっきりお伝えします。
見積り無料
概算だけでもOK
当日中に返信
営業時間内の受付分
1個から対応
ロットの下限なし
営業電話なし
問い合わせ後も
機械の購入と外注で迷っている方は買うか外注かの損益分岐もご覧ください。
まとめ|放電加工の費用は「正確な見積り」が一番の判断材料
放電加工の費用は加工内容によって幅が大きく、一般的な相場だけでは判断が難しい面があります。最も確実なのは、図面を送って複数社から見積りを取ることです。
当社ギャップ・イーディーエム(GAP.EDM)では、見積りは完全無料・最短3時間以内に回答しています。「だいたいいくらかかるか」という概算レベルのご相談にも対応しますので、お気軽にお問い合わせください。

放電加工とは何か?基本原理から種類・メリット・用途まで初心者にもわかりやすく解説。形彫・ワイヤー・細穴の違いも紹介。
放電加工ひとすじ40年。超硬・インコネル・チタンなど全材質を量産対応。複数台体制で供給を止めず、NDA・加工データ提出にも対応します。図面1枚から、最短即日でお見積りします。
放電加工の見積もりに必要な情報【チェックリスト】
放電加工の見積もり精度は、依頼時に伝える情報の質でほぼ決まります。以下の6項目を事前に整理しておくと、より正確でスピーディーな見積もりが返ってきます。
PDF・DXF・IGESなど。図面がなくても現物やスケッチから対応可能な場合もあります
S50C、SKD11、超硬合金など。焼入済かどうかも重要です
形彫・ワイヤー・細穴のいずれか。不明な場合は工場側が提案してくれます
1個の試作か量産か。数量によって単価が大きく変わります
±0.01mm〜±0.1mmで費用が数倍変わることも。必要以上の精度はコスト増に直結します
通常2〜3週間が標準。特急対応は割増料金が発生しますが、最短即日着手に対応する工場もあります
図面がなくても「現物」「写真+スケッチ」「口頭説明」だけでも見積もり可能な場合があります。まずは気軽に問い合わせてみましょう。当社では図面1枚から最短即日で見積もりを回答しています。
失敗しない見積もり依頼の5ステップ
初めて放電加工の見積もりを依頼する方でも、以下の5ステップに沿えばスムーズに進められます。
図面・データを準備する
PDF・DXF・3D CADデータ(IGES/STEP/Parasolid)を用意。図面がない場合は現物の写真(寸法入り)でも対応できる工場があります。加工箇所を赤ペンで明示しておくと、見積もり精度が上がります。
要件を整理する
材質・硬度・数量・要求精度・面粗度・納期を明確に。不明な項目は「相談したい」と伝えればOKです。要件が曖昧だと、工場側は安全マージンを取って高めの見積もりを出す傾向があります。
2〜3社に見積もりを依頼する
同じ図面・条件で複数社に見積もりを取ると、相場感がつかめます。ただし「安ければいい」は危険です。品質・納期対応力・技術相談の対応も含めて総合判断しましょう。
見積もり内容を比較・確認する
金額だけでなく、内訳(加工費・電極費・段取り費)、公差の解釈、納期、追加費用の有無を確認。後述の「見積もり比較チェックポイント」も参考にしてください。
発注前の最終確認
加工条件の認識に齟齬がないかを発注前に電話やメールで確認。特に公差・面粗度・二次加工の有無は、解釈違いによるトラブルが最も多いポイントです。
外注先の選び方 — 見積もり対応でわかる工場の実力
放電加工の外注先を選ぶとき、見積もりの対応を見れば工場の実力がおおよそわかります。以下のポイントをチェックしましょう。
| チェック項目 | 良い工場の特徴 | 注意が必要な工場 |
|---|---|---|
| 見積もり回答速度 | 即日〜翌営業日に回答 | 1週間以上かかる / 催促しないと来ない |
| 質問・確認の有無 | 図面に対して技術的な確認がある | 何も聞かずに見積もりを出す |
| 内訳の明示 | 加工費・電極費・段取り費を分けて提示 | 「一式○○円」のみ |
| コストダウン提案 | 「ここをこうすれば安くなる」と提案あり | 言われたとおりの金額だけ |
| 対応可能範囲 | 形彫・ワイヤー・細穴をワンストップ対応 | 一部の加工しかできず外注に丸投げ |
| 設備情報の開示 | 保有設備・加工能力を明示 | 設備や能力を教えてくれない |
GAP(ギャップ・イーディーエム)は、愛知県の放電加工専門工場です。三菱EA30をはじめとする充実設備で、形彫・ワイヤー・細穴をワンストップ対応。図面1枚から最短即日で見積もりを回答し、コストダウン提案も積極的に行います。「他社で断られた」「納期がない」案件もまずはご相談ください。

