タングステン・超硬合金の硬さ完全データ
HV/HRA一覧と「加工できる・できない」の判断基準
「タングステンの硬さはいくつか」「超硬と何が違うのか」——材料選定で最初にぶつかる疑問に、数値で答えます。あわせて、その硬さが加工方法にどう効いてくるのかを、加工する側の実務目線で整理しました。
「材料表に HV1500 と書いてあるが、これは削れるのか」
「タングステンと超硬は同じものなのか、別物なのか」
「硬いのは分かったが、ではどうやって加工すればいいのか」
超硬合金やタングステンを設計に採用しようとすると、必ずこの壁にぶつかります。カタログには硬さの数値が載っていても、その数値が加工現場で何を意味するのかまでは書かれていないためです。
この記事では、タングステン系材料の硬さを数値で一覧化したうえで、「その硬さだと、どの加工方法が使えて、どれが使えないのか」という判断基準まで踏み込みます。書いているのは材料メーカーではなく、実際にこれらの材料へ穴をあけたり形を彫ったりしている加工者側の人間です。カタログには載らない、現場での勘所も添えました。
- タングステンと超硬合金は「別物」——まず混同を解く
- 硬さ数値の完全一覧(HV・HRA・HRC を材質別に)
- 硬さの単位はなぜ複数あるのか、どう換算するのか
- なぜ硬いと削れないのか——工具と被削材の硬さ関係
- 加工方法別・可否早見表(切削/研削/放電/レーザー/ウォータージェット)
- 放電加工だけが硬さの影響を受けない理由
- 設計段階で押さえておきたい7つの注意点
タングステンと超硬合金は「別物」です
最初に、実務でもっとも多い誤解を解いておきます。「タングステン」と「超硬合金」は同じ材料ではありません。硬さも、加工の難しさも、価格も大きく違います。
弊社にお問い合わせいただく際も、「タングステンの加工をお願いしたい」というご相談の中身が、実際には超硬合金だった(あるいはその逆だった)ということが少なくありません。両者を取り違えると、加工方法の選定も見積金額も大きくずれます。
純タングステン(W)——金属としては硬いが、意外と削れる
純タングステンは、タングステンという元素そのものの金属です。もっとも際立つ特性は融点3,653K(約3,380℃)で、これは全金属中で最高です。密度も19.3 Mg/m³と鉄の約2.5倍あり、手に持つと同じ大きさの鉄とは明らかに違う重さを感じます。
硬さはおおむね HV 300〜500。数値だけ見れば焼入れした鋼(HV 600〜750)より柔らかく、条件を選べば切削もできます。「タングステン=絶対に削れない」というイメージは、この後に説明する超硬合金と混同されて広まったものです。
ただし削りやすいわけではありません。タングステンは常温では脆く、粘りが乏しいという性質があります。ある温度(脆性-延性遷移温度)を下回ると、力を加えたときに変形せずに割れます。そのため、切削中に工具が食い込んだ瞬間に刃先が欠けるのではなく材料側が欠けることがあります。特に薄肉部・角部・穴の出口では、寸法どおりに削れても縁が欠けてしまう、という失敗が起きます。
超硬合金(WC-Co)——「石を削る」に近い
超硬合金は、炭化タングステン(WC)の粉末を、コバルト(Co)などの結合材で焼き固めた複合材料です。英語では cemented carbide、現場では単に「超硬」と呼ばれます。
主成分である炭化タングステン単体の硬さはHV 2,400〜2,600と非常に高く、これを結合材で固めた超硬合金全体でもHV 1,300〜2,000 程度に達します。ダイヤモンドを除けば、工業材料として最上位に位置する硬さです。
重要なのは、超硬合金が「金属」というより「セラミックスに近い複合材」だという点です。硬い粒が詰まった構造をしているため、切削工具の刃先を当てると、削れる前に刃のほうが負けます。感覚としては、金属を削るのではなく石やガラスを削るのに近いと考えてください。
手元の材料がどちらか分からない場合、重さと色みが手がかりになります。純タングステンは銀白色でずっしり重く、超硬合金はやや灰色がかっていて、同じ体積なら純タングステンよりわずかに軽いことが多いです(超硬は結合材を含むため)。確実に判別したい場合は、材料メーカーの材質証明書をご確認ください。判断に迷う場合は、写真を送っていただければ当方で当たりをつけます。
硬さ数値の完全一覧
実務で比較しやすいよう、タングステン系材料と、身近な鋼材・工具材を同じ表に並べました。数値は材種・メーカー・熱処理条件によって幅があるため、代表的な範囲として記載しています。正確な値は必ず材料メーカーのデータシートをご確認ください。
| 材料 | ビッカース HV | ロックウェル HRA / HRC | 加工の位置づけ |
|---|---|---|---|
| 炭化タングステン(WC)単体 | 2,400〜2,600 | — | 超硬の主成分。単体では使わない |
| 超硬合金(WC-Co) | 1,300〜2,000 | HRA 88〜93 | 切削はほぼ不可 |
| セラミックス(アルミナ等) | 1,500〜1,800 | — | 切削不可 |
| ハイス(SKH51 など) | 750〜900 | HRC 63〜66 | 切削は困難・研削主体 |
| 焼入れ鋼(SKD11 など) | 650〜750 | HRC 58〜62 | 切削は条件を選ぶ |
| 純タングステン(W) | 300〜500 | HRC 30〜50 相当 | 切削可・ただし欠けやすい |
| タングステン合金(ヘビーアロイ) | 250〜400 | HRC 25〜40 相当 | 純Wより切削しやすい |
| ステンレス(SUS304) | 150〜200 | HRB 70〜90 相当 | 切削可(粘りに注意) |
| 炭素鋼(S45C・生材) | 200〜270 | HRC 20 前後 | 切削可 |
| アルミニウム合金 | 45〜120 | — | 切削容易 |
出典:炭化タングステン・超硬合金の硬さは日本タングステン株式会社ほか各社の公開技術資料、タングステンの物性値は株式会社アライドマテリアル公開データ(融点3,653K、密度19.3Mg/m³)に基づく。鋼材の硬さは JIS 規格および一般的な熱処理条件での代表値。
硬さの単位はなぜ複数あるのか
材料の資料を見ていると、HV・HRC・HRA・HBW と単位が入り乱れて出てきます。これらは別の測り方をした結果であり、そのまま比較することはできません。
| 記号 | 試験名 | 測り方 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| HV | ビッカース硬さ | ダイヤモンドの四角錐を押し込み、くぼみの対角線の長さを測る | 硬い材料から柔らかい材料まで、ひとつの尺度で比較できる。薄物・小物にも使える |
| HRA | ロックウェル Aスケール | ダイヤモンド圧子・荷重60kgf で押し込み、深さを測る | 超硬合金の表記に使われるのはほぼこれ |
| HRC | ロックウェル Cスケール | ダイヤモンド圧子・荷重150kgf で押し込み、深さを測る | 焼入れ鋼の硬さ表記の標準 |
| HBW | ブリネル硬さ | 超硬球を押し込み、くぼみの面積で評価 | 鋳物・鍛造品など組織が粗い材料 |
実務で使う換算の目安
厳密な換算式は存在せず、JIS でも参考値として扱われますが、現場では次の対応関係を目安にしています。
| HV | HRC | HRA | 代表的な材料 |
|---|---|---|---|
| 1,800 | — | 約 92 | 超硬合金(微粒子系) |
| 1,400 | — | 約 89 | 超硬合金(一般) |
| 900 | 約 67 | 約 84 | ハイス(最高硬度域) |
| 750 | 約 62 | 約 81 | SKD11 焼入れ |
| 650 | 約 58 | 約 79 | SKD11(低め) |
| 500 | 約 49 | 約 76 | 純タングステン(硬め) |
| 300 | 約 30 | — | 純タングステン(軟らかめ) |
| 200 | 約 13 | — | S45C 生材 |
換算値は JIS Z 2244 等の対応表に基づくおおよその目安です。材料の種類によって換算のずれが生じるため、厳密な硬さ管理が必要な場合は、実際に使用するスケールで直接測定してください。特に HRC は HV 940(HRC 68)付近が測定上限で、超硬合金の領域では測定できないため HRA を使います。
超硬合金の部品図に 「HRC60以上」 と指示されているケースを時々見かけます。前述のとおり HRC スケールは超硬の硬さ領域を測れないため、この指示は検査が成立しません。超硬を指定する場合は HRA か HV で記載してください。
なぜ硬いと削れないのか
硬い材料が加工できない理由は、突き詰めるとひとつの原則に行き着きます。
金属を削るという行為は、工具の刃先を材料に食い込ませて、材料を塑性変形させながらむしり取る作業です。このとき刃先のほうが柔らかければ、材料ではなく刃が負けます。木を切るノコギリが、石を切ろうとすると刃だけが削れていくのと同じ理屈です。
一般に、安定して切削するには工具の硬さが被削材の1.3〜1.5倍以上必要とされます。ここに超硬合金の問題があります。
超硬より硬い工具は事実上ダイヤモンドしかない
一般的な切削工具の最上位は超硬工具です。つまり超硬合金を切削しようとすると、同等の硬さのもの同士をぶつけることになります。これでは削れません。
超硬より硬い刃物としては、ダイヤモンド工具(PCD)や CBN工具があります。ただし、
- 工具が高価——1本あたりの単価が通常の超硬工具の数倍〜十数倍になる
- 形状の自由度が低い——複雑な内形状や小径の深穴には対応しづらい
- 工具寿命が読みにくい——数個作った時点で摩耗し、寸法が変わる
という制約があり、単発の試作や少量の複雑形状では現実的な選択肢になりにくいのが実情です。
加工方法別・可否早見表
硬さごとに、どの加工方法が使えるかを整理しました。設計段階で加工方法の当たりをつける際にお使いください。
| 加工方法 | 純タングステン HV300〜500 |
超硬合金 HV1300〜2000 |
補足 |
|---|---|---|---|
| 切削(フライス・旋盤) | 条件次第で可 | 不可 | 純Wは欠けに注意。超硬は工具が負ける |
| ドリル穴あけ | 小径は困難 | 不可 | 純Wでも深穴・小径は折損しやすい |
| タップ加工 | ほぼ不可 | 不可 | タップが折れ込むと救出も困難になる |
| 研削 | 可 | 可 | 外形・平面は得意。内形状・角穴は不可 |
| 形彫放電加工 | 可 | 可 | 硬さ無関係。止まり穴・角穴・複雑形状に対応 |
| ワイヤー放電加工 | 可 | 可 | 硬さ無関係。貫通形状のみ(糸を通す必要がある) |
| 細穴放電加工 | 可 | 可 | 小径・深穴に強い。ワイヤーのスタート穴にも使う |
| レーザー加工 | 薄板なら可 | 薄板なら可 | 厚みが増すと熱影響とテーパーが問題になる |
| ウォータージェット | 可 | 可 | 精度は放電に劣る。切り口がテーパーになりやすい |
設計段階で「この形状、超硬で作れるだろうか」と迷ったとき、まず研削で外側から作れる形かどうかを考えてください。外形・平面・円筒だけで済むなら研削で足ります。内側に何かある形(角穴・止まり穴・溝・異形穴)になった瞬間、研削では届かなくなり、放電加工の領域になります。
放電加工だけが硬さの影響を受けない理由
ここまで繰り返し「放電加工なら硬さは関係ない」と書いてきました。その理由を説明します。
放電加工は、工具(電極)とワークを接触させません。両者の間に0.01〜0.05mm程度のすき間を保ちながら、絶縁性の加工液の中で放電(火花)を起こします。放電時の局部温度は数千℃に達し、その熱でワークの表面をごく微量ずつ溶かして除去していきます。
つまり「削る」のではなく「溶かす」加工です。溶かすのに必要なのは熱であり、材料の硬さではありません。だから――
- HV1800 の超硬合金でも、HV200 の鋼と同じように加工できる
- 電極には銅やグラファイトという柔らかい材料を使う(HV50〜100程度)
- 柔らかい電極で硬い材料を加工するという、切削では成立しない関係が成り立つ
唯一の条件は「電気を通す材料であること」です。超硬合金もタングステンも金属系の導電材料なので、この条件を満たします。逆に、セラミックスやガラスなど絶縁体は放電加工できません(この点だけは硬さと無関係に不可です)。
硬さ以外に効いてくる要素
ただし「硬さが関係ない」ことと「何でも同じ条件で加工できる」ことは違います。超硬合金の加工では、次の点が効いてきます。
| 要素 | 超硬合金での注意点 |
|---|---|
| 加工速度 | 鋼に比べて加工速度は落ちます。融点が高く、熱を伝えにくいためです。同じ形状でも鋼の1.5〜2倍程度の時間を見込みます |
| コバルト相の溶出 | 結合材のコバルトが先に溶けて、表面のWC粒子が脱落することがあります。仕上げ条件を落として加工変質層を抑えます |
| 電極の消耗 | 鋼を加工するときより電極が減りやすいため、荒用と仕上用で電極を分けるなどの段取りが必要です |
| クラック | 急激な熱の出入りで微小なクラックが入ることがあります。放電条件を段階的に落として仕上げます |
これらは加工条件と電極設計で対処する領域です。材料の硬さそのものは障害になりませんが、超硬を扱った経験の有無で仕上がりに差が出ます。
材質と図面(または写真)をお送りいただければ、加工の可否と概算を当日中にご回答します。「そもそも放電で対応できる形状か」の段階からご相談いただけます。図面が無く、現物の写真だけでも構いません。
設計段階で押さえておきたい7つのこと
超硬・タングステンを採用する際、設計の段階で決まってしまう要素があります。あとから変更が効かない項目を優先度順に挙げます。
超硬は焼結済みの状態で入手するのが一般的です。形状加工は焼結後に放電で行うのが基本と考えてください。「焼結前に削っておく」という選択肢は、焼結時の収縮(十数%)があるため精度が出ません。
外形・平面・円筒だけなら研削で済み、コストを抑えられます。角穴・異形穴・止まり穴・深い溝が入った時点で放電加工が必要になります。形状を決める前に、この線引きを意識すると総コストが変わります。
貫通穴ならワイヤー放電が使えて速く安価です。止まり穴は形彫放電加工でしか作れません。図面上で「貫通」「止まり(深さ指示)」を明確にしてください。ここが曖昧だと見積もりが出せません。
放電加工では、電極の形状がワークに転写されます。完全なピン角(R0)は原理的に作れません。ワイヤーならワイヤー径の半分程度(R0.1前後)、形彫なら電極の加工限界に依存します。図面に「R指示なし=ピン角」と書かれていると、加工側で判断できず確認が発生します。
放電加工面は微細な凹凸のある梨地になります。仕上げ条件を上げれば滑らかにできますが、そのぶん加工時間と費用が増えます。機能上必要な面だけに厳しい値を指示し、それ以外は緩めるとコストが下がります。
超硬へのタップ加工は現実的ではありません。ねじが必要な場合は、超硬部品に通し穴だけをあけ、鋼のホルダー側でねじを受ける構造にするのが定石です。設計段階でこの分割ができていると、製作性が大きく変わります。
「超硬」とだけ書かれていても、材種によって硬さも加工性も変わります。材種記号(V10、G5 など)またはメーカー名と型番を記載してください。分からない場合は、素材の入手先を教えていただければ当方で確認します。
超硬・タングステンの加工費はなぜ高いのか
超硬部品の見積もりを見て「鋼で作ったときの何倍もする」と感じた経験のある方は多いと思います。この差がどこから来ているのかを分解しておくと、どこを削ればコストが下がるのかが見えてきます。
費用を押し上げている4つの要素
| 要素 | 鋼の場合 | 超硬の場合 | 効いてくる理由 |
|---|---|---|---|
| 材料費 | 基準 | 数倍〜十数倍 | タングステンはレアメタルで、産出国が限られ相場変動も大きい |
| 加工時間 | 基準 | 1.5〜2倍 | 融点が高く熱が逃げやすいため、放電での除去速度が落ちる |
| 電極費 | 1本で足りることが多い | 荒用・仕上用で複数必要 | 電極の消耗が大きく、1本で最後まで持たせると寸法が変わる |
| 失敗時の損失 | 材料を替えれば済む | 材料代がそのまま損失に | 高価な素材のため、慎重な条件出しが必要になる |
つまり、超硬加工の費用は「材料が高い」だけでは説明できません。加工に時間がかかり、電極も余分に要り、失敗が許されないという条件が重なって積み上がります。
コストを下げるために設計側でできること
加工側の努力だけでは限界があります。図面の描き方ひとつで金額が変わる項目を挙げます。
- 超硬を使う範囲を最小限にする——部品全体を超硬で作るのではなく、摩耗する部分だけを超硬のチップにして、本体は鋼で受ける構造にします。材料費と加工費の両方が下がります。
- 貫通形状にできないか検討する——止まり穴は形彫放電加工が必要ですが、貫通ならワイヤー放電が使えます。ワイヤーのほうが速く、電極も要りません。機能上どうしても止まりでなければ、貫通に変えるだけで安くなります。
- 面粗さの指示を機能面だけに絞る——全面に厳しい面粗さを指示すると、仕上げ工程が全面に必要になります。実際に摺動する面・シールする面だけ指示を厳しくし、他は緩めてください。
- 公差を必要な箇所だけ厳しくする——超硬は熱処理による寸法変化がないぶん精度は出しやすいのですが、公差を詰めるほど仕上げ放電の回数が増えます。はめあい部以外は一般公差で足りることが多いです。
- 数量をまとめる——電極製作と段取りは1個でも10個でも大きくは変わりません。同じ形状を複数個作るなら、まとめて依頼すると1個あたりの単価が大きく下がります。
- 納期に余裕を持たせる——特急対応は可能ですが、通常納期のほうが費用は抑えられます。急ぎでない案件は、その旨をお伝えいただければ調整できます。
次の5点が分かると、やり取りの往復なしで見積もりが出せます。①材質(材種記号またはメーカー・型番)/②数量と、今後リピートの可能性/③貫通か止まりか(止まりなら深さ)/④公差と面粗さを厳しくすべき箇所/⑤希望納期。すべて揃っていなくても構いません。写真だけでもご相談いただけます。
実際にどう加工しているか
弊社は形彫放電加工を中心に、創業2003年以来、形彫放電加工歴40年の技術で超硬・タングステンを含む難削材を加工しています。参考までに、対応できる範囲をお伝えします。
電極を形状に合わせて製作し、形彫放電加工で彫り込みます。六角・四角・スプライン形状など、切削では入れない内形状に対応します。
細穴放電加工で深さ350mmまでの実績があります。長尺シャフト(全長900mm)への深穴加工も対応しています。
加工槽の内寸は1,200×800×450mm(コラムアップ時)。搬入可能寸法は内寸から約50mm引いた範囲が目安です。ワーク高さは1,000mm程度まで対応します。
タングステンや超硬に穴をあけようとしてドリル・タップが折れ込んだ場合、母材を傷めずに折れ込みだけを除去できます。放電加工は硬さに影響されないため、折れた工具側だけを溶かせます。
納期の目安は、特急で2〜5日、通常で1週間前後です(形状・数量・混み具合により変動します)。1個の試作から量産・リピートまで対応しています。
よくある質問
タングステンと超硬、どちらが硬いのですか?
超硬合金のほうが圧倒的に硬いです。純タングステンが HV300〜500 程度なのに対し、超硬合金は HV1,300〜2,000 程度で、約4倍の開きがあります。「タングステン」という名前が共通しているため混同されやすいのですが、純タングステンは金属、超硬合金は炭化タングステンの粒を結合材で固めた複合材料で、別の材料です。
超硬合金の硬さを HRC で指示してはいけないのはなぜですか?
ロックウェル Cスケール(HRC)は測定範囲に上限があり、HRC68(HV940 相当)付近を超えると正しく測れません。超硬合金はこの範囲を大きく超えるため、HRC では評価できません。超硬の硬さは HRA(一般に88〜93)または HV で指示してください。
純タングステンなら普通に切削できますか?
硬さの数値上は切削可能な範囲です(焼入れ鋼より軟らかい)。ただし常温で脆く、欠けやすいという性質があるため、薄肉部・角部・穴の出口が欠けるトラブルが起きやすい材料です。また小径穴や深穴、タップ加工は折損リスクが高くなります。形状によっては放電加工のほうが確実で、結果的に安くつくケースがあります。
放電加工で本当に硬さは関係ないのですか?
加工できるかどうかという意味では関係ありません。放電加工は工具を接触させず、放電の熱で材料を溶かして除去するためです。ただし加工速度には影響します。超硬は融点が高く熱を伝えにくいため、同じ形状でも鋼の1.5〜2倍程度の加工時間がかかります。条件は「加工できるが、時間はかかる」とお考えください。
放電加工できない材料はありますか?
あります。放電加工は電気を流して加工するため、電気を通さない材料は加工できません。セラミックス、ガラス、樹脂、木材などが該当します。硬さではなく導電性が条件です。超硬合金・タングステン・焼入れ鋼・チタン・インコネルなどの金属系材料は、いずれも硬さに関係なく加工できます。
材質が分からない部品でも相談できますか?
ご相談いただけます。現物の写真を送っていただければ、外観と用途からある程度の当たりをつけられます。確実に判別が必要な場合は材質証明書をご確認いただくか、素材の入手先をお教えください。「材質が分からないから相談できない」という状態で止まってしまうより、まずご連絡いただくほうが早く進みます。
「切削では削れなかった」「他社で断られた」「そもそも作れる形状なのか判断がつかない」——この段階からご相談いただけます。図面が無くても、スマートフォンで撮影した写真1枚から加工の可否をご回答します。
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