放電加工を量産で外注、いくら?
費用の「決まり方」と単価を下げる方法。
「放電加工を量産で外注したいが、相場が分からない」——調達・生産技術のご担当者へ。費用がどう決まるのか、どうすれば単価を下げられるのかを、放電加工の専門工場が包み隠さず解説します。図面1枚から、最短即日で概算をお出しします。
放電加工の費用は「なんとなく高い・安い」で語られがちですが、コストを構成する要素は明確です。仕組みを理解すれば、図面の描き方やロットの組み方で単価を下げられる余地が見えてきます。まずは費用が何で決まるのかから見ていきましょう。
放電加工の量産単価を決める5つの要素
放電は「除去量×仕上げ条件」で時間が決まります。深く・広く・鏡面に近いほど時間が伸び、単価が上がります。
形彫は電極が必要。複雑形状ほど電極コスト増。量産で電極を共用・再利用できると有利です。
厳しいほど仕上げ工程が増え、単価が上がります。「全面シビア」は割高の典型。
超硬・インコネル等の難削材は加工難度が上がります。ただし放電は硬さに強く、切削より有利な場合も。
段取り費は数量で割られます。まとめ生産・内示があるほど1個あたりが下がります。
費用の目安(量産で大きく変わる)
金額は形状・材質・公差・数量で大きく変動するため、一律の単価表は実態に合いません。目安として、放電加工の費用は1個あたり数千円〜が一般的で、難形状・高精度・難削材になるほど上がります。重要なのは——
| 条件 | 単価への影響 |
|---|---|
| 単発・少量 | 段取り費が乗るため割高になりやすい |
| 量産・継続(まとめ発注) | 段取り費を数量で按分 → 1個あたりが大きく下がる |
| 過剰な公差・面粗さ | 仕上げ工程が増え割高 |
| 難削材(超硬・インコネル等) | 難度に応じて上がるが放電が得意な領域 |
単価を下げる「図面の考え方」(VA/VE)
① 機能上必要な所だけ公差を絞る
全面に厳しい公差を入れていませんか。必要な箇所だけに絞るだけで仕上げ工程が減り、単価が下がります。「不要な精度を緩める」は最も効果的なコストダウンです。
② 工法を固定しない(工法転換)
切削や研削で苦労している工程を放電に置き換えると、難形状・難削材を一発で仕上げられトータルコストが下がる場合があります。逆もまた然り。工法ありきで考えないのがVEの要点です。
③ ロット・内示でまとめる
段取り費は数量で割られます。内示・まとめ発注で1個あたりを下げられます。詳しくは 量産単価の決まり方とVA/VE も参考に。
なぜ「量産・継続」で単価が下がるのか
放電加工の費用は、初回に 電極設計・加工条件の確立・治具・段取り といった「立ち上げコスト」がかかります。これらは1個ごとではなくロット全体に対して一度だけ発生します。つまり——
- 単発:立ち上げコストを1個で負担 → 割高
- 量産・継続:立ち上げコストを数百〜数千個で按分 → 1個あたりが大幅に下がる
- セカンドソース確保:平時に条件を確立しておけば、有事の切替もスムーズ(セカンドソース確保)
見積りで必ず確認すべきこと
- 内訳が説明されるか(加工時間・電極・仕上げ・段取りの内訳)=単価の妥当性が判断できる
- 量産時の単価(初物単価と量産単価を分けて提示してくれるか)
- VA/VE提案の有無(図面段階でコストダウンを提案してくれるか)
- 供給の安定性(止まらない体制か → 品質保証・検査体制)
当社の量産見積りの進め方
DXF/PDFをお送りいただく。図面1枚から最短即日で概算回答。
加工条件を組み、初物単価と量産単価を内訳つきでご提示。
条件と品質を確立。VA/VEのご提案も。
確立条件を全数再現。複数台でバックアップしながら安定供給。
2. 発注前チェックリスト7項目
- 供給安定性(BCP):設備は1台依存でないか。同条件を別機で再現・バックアップできるか。
- 品質の作り込み方:検査で弾くだけでなく、加工条件を作り込んでそもそもバラつかせない体制か。
- 提出できるデータ:寸法測定値や加工条件の記録を提出できるか。社内要求書類に対応できるか。
- 対応材質:量産する材質(超硬・難削材含む)を安定して量産できるか。
- ロット・納期:必要な月産・リードタイムを継続して回せるか。
- 機密保持:NDA対応か。図面改訂の管理は可能か。
- 受け方の柔軟性:試作・初物から入って量産へ移行できるか。
3. 「安いか」より「止まらないか」
量産外注の失敗で最も多いのが、価格を最優先して供給リスクを見落とすケースです。1社・1台依存の外注先は、設備トラブルや繁忙で簡単に止まります。発注前に「もし止まったらどうなるか」を必ず確認しましょう。供給リスクへの備えは セカンドソース確保 も参考に。
4. 品質は認証だけで判断しない
三次元測定機による寸法成績書やISO認証は安心材料ですが、それが無くても工程内での寸法管理と加工条件の作り込みで安定品質を出す工場はあります。重要なのは「どうやって品質を一定に保っているか」を説明できること。当社の考え方は 品質保証・検査体制 をご覧ください。
5. よくある失敗と回避策
| 失敗 | 回避策 |
|---|---|
| 価格最優先で供給が止まった | セカンドソースを平時に確保 |
| 全面に厳しい公差でコスト増 | 機能部だけ公差を絞る(VA/VE) |
| 図面・データが古く引き継げない | 現物採寸・データ復元に対応する先を選ぶ |
3. 材質別・量産加工のポイント
超硬合金(タングステンカーバイド)
金型・刃物・耐摩耗部品に多用。放電加工なら硬さに関係なく、六角穴・異形穴・深穴・微細形状を量産可能。超硬の量産でお困りなら放電が有力です。
インコネル等の耐熱合金
航空・エネルギー(タービン)部品など。加工硬化で切削に苦労する材料も、放電なら影響を受けにくい。微細深穴(冷却穴等)の実績もあります。
チタン合金
軽量・高強度で医療・航空に。熱の問題で切削が難しい形状も、放電で精密に。
焼入れ鋼(HRC50以上)
焼入れ後に寸法を出したい・追加工したい場合、放電なら歪みを抑えて加工できます。金型の焼入れ後加工に有効。
4. 難削材の量産で外注先に求められること
- 難削材の”量産”実績:単発の試作ではなく、繰り返し量産で安定させた実績があるか。
- 放電加工の対応範囲:形彫・ワイヤー・細穴など、必要な工程を社内で持っているか。
- 加工条件の作り込み:材質ごとに条件を最適化し、全数同条件で再現できるか。
- 供給の安定性(BCP):複数台で同条件を再現・バックアップできるか。
- 品質・機密:工程内の品質管理、データ提出の可否、NDA対応。
6. 「量産で安定するか」を見極める3つの質問
- 同じ材質・形状を、何度も繰り返し量産した実績はありますか?
- 量産中に1台止まっても、別機で同じ条件を再現できますか?
- 寸法のばらつきを、どうやって一定に保っていますか?
よくあるご質問
A. はい。図面(DXF/PDF)や写真をお送りいただければ、最短即日で概算と内訳をご回答します。図面が無くても、形状が分かるものがあればご相談ください。
A. 形状によりますが、立ち上げコスト(電極・段取り)を数量で按分できるため、1個あたりは大きく下がります。初物単価と量産単価を分けてご提示します。
A. はい。過剰公差の見直しや工法転換など、VA/VEの観点でコストダウンをご提案します。
A. 難削材は難度に応じて割高になりますが、放電加工は難削材に強く、切削より有利なケースもあります。図面でご相談ください。
放電加工ひとすじ40年。超硬・インコネル・チタンなど全材質を量産対応。複数台体制で供給を止めず、NDA・加工データ提出にも対応します。図面1枚から、最短即日でお見積りします。

