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金型補修・寸法再生を再製作なしで実現する方法

「金型の寸法がズレてきた」「嵌合部の摩耗で製品にバリが出始めた」「金型の一部が欠けてしまった」——このようなトラブルが発生したとき、金型の再製作には数十万円〜数百万円のコストと数週間〜数ヶ月の納期がかかります。

しかし、再製作しなくても放電加工を活用した補修で金型を復旧できるケースは数多くあります。この記事では、金型補修の代表的な3つの方法と、放電加工がそこでどのような役割を果たすかを解説します。

目次

金型トラブルの主な原因

金型の寸法異常やダメージが発生する主な原因は以下の通りです。

トラブルの種類 主な原因
寸法変化(摩耗) 長期使用による嵌合面・摺動面の摩耗。プレス金型のダイ・パンチの摩耗
欠損(チッピング・欠け) 異物噛み込み、過荷重、熱クラック、疲労破壊
溶損・ヒートクラック ダイカスト金型やプラスチック金型のゲート周辺の溶損・クラック
設計変更に伴う寸法変更 製品設計の変更により金型寸法を修正する必要が生じた場合
加工ミスの修正 金型製作時の加工ミスや組立不良による寸法不良

金型補修の3つの方法

方法①:放電加工で直接寸法を修正する

適用条件:「金型の寸法を大きくしたい」場合、つまり金属を除去する方向の修正

形彫放電加工により、金型の特定部位の寸法を拡大(金属を除去)します。例えば、嵌合穴が狭くなったパンチを入れ直すために穴径を広げたい、リブの幅を変更したい、キャビティの一部形状を修正したいといったケースです。

メリット:

  • 金型を組んだままの状態に近い形で修正可能(分解の手間が最小限)
  • 焼入れ済みの金型でも硬度に関係なく加工可能
  • ミクロン精度で寸法をコントロールできる
  • 修正箇所以外に影響を与えない

方法②:肉盛溶接 + 放電加工で寸法を復元する

適用条件:「摩耗・欠損で金型の寸法が小さくなってしまった」場合、つまり金属を足す必要がある場合

摩耗や欠損で失われた部分に肉盛溶接(レーザー溶接・マイクロTIG溶接等)で金属を積み上げ、その後放電加工で正確な寸法に仕上げるという2段階の修復方法です。

手順:

  1. 摩耗・欠損部をクリーニングし、溶接前処理を行う
  2. レーザー肉盛溶接またはマイクロTIG溶接で、必要な肉厚を確保するよう金属を積層する
  3. 溶接後の余肉(余分に盛った部分)を、形彫放電加工で元の図面寸法通りに除去・仕上げする

なぜ放電加工が必要か:

肉盛溶接の溶着金属は硬度が高く(HRC50〜60以上になることが多い)、切削加工で正確に仕上げるのが困難です。放電加工であれば硬度に関係なくミクロン精度で仕上げられるため、肉盛溶接との組み合わせが最も理想的な修復方法となります。

方法③:TIG溶接 + 切削加工で修復する

適用条件:修復箇所が比較的大きく、高い精度が求められない場合

TIG溶接で肉盛りし、汎用フライスや研削で仕上げる方法です。大面積の修復には適していますが、放電加工ほどの精度は出しにくく、焼入れ鋼の場合は切削仕上げが困難になります。

3つの方法の比較

比較項目 放電加工のみ 肉盛溶接+放電加工 TIG溶接+切削
精度 ◎ ±0.005mm ◎ ±0.005mm △ ±0.02mm程度
対応方向 金属除去のみ 金属追加+精密仕上げ 金属追加+粗仕上げ
焼入れ鋼対応 △(切削困難)
コスト ○ 安い ○ 中程度 ○ 安め
納期 ◎ 最短即日 ○ 数日 ○ 数日
微細・複雑形状 ×(工具制約)

再製作と補修、どちらが得か?

一般的な判断基準は以下の通りです。

  • 補修が有利:修復箇所が限定的、修正量が数mm以内、残りの金型部分が健全
  • 再製作が有利:金型全体の疲労が進んでいる、修復箇所が多数、設計変更が大幅

目安として、金型全体の再製作費用の20〜30%以下で補修できるなら、補修を選択するのが経済的です。当社では、金型の状態を確認した上で「補修すべきか再製作すべきか」の判断もアドバイスいたします。

まとめ

金型の摩耗・欠損・寸法ズレは、必ずしも再製作を意味しません。放電加工を活用した補修により、再製作の数分の一のコストと納期で金型を復旧できるケースが多くあります。

当社ギャップ・イーディーエム(GAP.EDM)は、金型補修の放電加工を得意としています。金型を送っていただければ、状態の確認→最適な修復方法の提案→放電加工による精密仕上げまで一貫して対応します。

金型の補修・寸法再生のご相談

再製作の前に、まず補修の可能性をご確認ください。

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お電話:0561-55-7560(平日8:00〜17:00)

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