放電加工とは — 基本から応用まで完全ガイド
放電加工の専門工場が、わかりやすく徹底解説します
基本原理から3つの種類、メリット・デメリット、加工事例、費用相場まで
放電加工とは — 基本原理をわかりやすく解説
放電加工とは「火花」で金属を削る加工技術
放電加工とは、電気の火花(スパーク放電)を利用して金属を溶かし除去する特殊な加工方法です。EDM(Electrical Discharge Machining)とも呼ばれ、切削工具を一切使わないため、とても硬い材料や複雑な形状でも加工できます。愛知県の放電加工専門工場 GAPが、放電加工とは何かをわかりやすく解説します。
放電加工の最大の特徴は「非接触加工」です。工具が直接材料に触れないため、以下のような加工が可能です:
- 超硬合金(タングステンカーバイド)など、非常に硬い材料
- 微細な穴や複雑な形状
- 精密部品への歪みのない加工
- 折れたタップやドリルの除去
放電加工の3ステップ — 火花から除去まで
放電加工は、以下の3つのステップで材料を削り落とします:
工具と材料の間に高い電圧をかけ、火花を飛ばします
火花の高温(約5,000~8,000℃)で材料の表面が溶けます
溶けた金属がしぶきとなって飛び散り、材料が削られます
放電加工では、工具が材料に接触しません。そのため、加工力がほぼゼロです。これが「精密部品の加工に最適」「歪みのない仕上げ」を実現する理由です。
放電加工とは — 簡単まとめ
- 加工方法:電気の火花(放電)を使って材料を削る非接触加工
- 英語名:EDM(Electrical Discharge Machining)
- 特徴:工具が材料に触れない = 加工力ゼロ = 歪みなし
- 得意な材料:超硬合金、焼入鋼、チタンなど導電性がある材料全般
- 種類:形彫放電加工・ワイヤー放電加工・細穴放電加工の3タイプ
- 精度:±0.01mm~±0.05mm(タイプ別の精度詳細はこちら)
放電加工の3つの種類(形彫・ワイヤー・細穴)
「放電加工とは何か」を理解したところで、次は3つの種類を見ていきましょう。放電加工には大きく形彫・ワイヤー・細穴の3タイプがあり、それぞれ得意な加工が異なります。
概要:工具電極の形を材料に「押し付ける」ようなイメージで加工します。複雑な形状の金型などに使用されます。
典型的な用途:
- プラスチック金型
- ダイカスト金型
- 複雑な凹凸形状
精度範囲:±0.02~±0.05mm
詳細ガイド:形彫放電加工 完全ガイド
概要:細いワイヤー(電極)が上下に動きながら材料を加工します。直線的で精密な切断に最適です。
典型的な用途:
- ゲージ・治具の製作
- 薄板の精密加工
- 複雑な外形形状
精度範囲:±0.01~±0.03mm
詳細ガイド:ワイヤー放電加工 完全ガイド
概要:直径0.3mm~数mmの極小サイズの穴を開けられます。医療機器や半導体でよく使用されます。
典型的な用途:
- 医療機器の微細穴
- 半導体部品の穴
- インクジェット部品
精度範囲:±0.01~±0.02mm
詳細ガイド:細穴放電加工 完全ガイド
3つの放電加工タイプ比較表
| タイプ | 工具形状 | 精度 | 穴径 | 最適な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 形彫 | 複雑な形状 | ±0.02~0.05mm | 制限なし | 金型、複雑形状 |
| ワイヤー | 細いワイヤー | ±0.01~0.03mm | 直線的 | 直線切断、薄板 |
| 細穴 | チューブ電極 | ±0.01~0.02mm | 0.3~5mm | 微細穴加工 |
放電加工のメリット・デメリット
放電加工とはどんな強み・弱みがある加工方法なのか。ここでは正直にメリットとデメリットの両方を解説します。
放電加工の5つの大きなメリット
1. 硬い材料も加工できる
超硬合金、焼き入れ鋼、ステンレス、チタンなど、どんなに硬い材料でも放電加工なら加工可能です。
2. 複雑な形状が作れる
工具電極を設計次第で、非常に複雑な形状や細い溝も自由に加工できます。
3. 加工力がほぼゼロで歪みがない
工具が材料に接触しないため、精密部品でも歪みなく加工できます。熱処理後の仕上げに最適です。
4. 切削では不可能な微細加工ができる
直径0.3mm以下の穴や、複雑な微細形状も加工可能。医療機器や半導体で重宝されます。
5. 折れたタップ・ドリルの除去が得意
穴の中に残った折れたタップを、ワークを傷つけず高精度で取り除けるのは放電加工だけです。GAP放電加工では年間500件以上の除去実績があります。
放電加工の3つのデメリット・限界
セラミックス、プラスチック、ガラスなど、電気を通さない材料には対応していません。
細穴や複雑な形状の場合、数時間~数日を要することもあります。切削加工より時間がかかる傾向です。
放電加工は多くのパラメータに影響されます。最適な条件出しには経験とノウハウが必要です。
- 超硬合金など、切削工具では加工困難な硬い材料
- 微細な穴や複雑な形状が必要
- 精密部品で歪みを許容できない
- 穴に残った折れたタップを除去したい
- 短納期よりも品質・精度を重視したい
放電加工でできること — 用途と加工事例
「放電加工とは具体的にどんな場面で使われるのか?」という疑問にお答えします。放電加工は以下の6業界を中心に、幅広い分野で活用されています。
放電加工の主な用途(6つの業界)
放電加工とは、あらゆる産業分野で活用される基盤技術です。以下の6業界で特に需要が高いです。
GAP 放電加工の実例
事例1 超硬金型の微細加工 — 複雑な凹凸形状も精密に
お客様の課題:プラスチック射出成形金型に、複雑な微細な凹凸加工が必要。超硬合金製で、切削では工具が欠けてしまう。
放電加工での解決:形彫放電加工で、複雑な凹凸を高精度で加工。
精度:±0.003mm
加工時間:8時間
表面粗さ:Ra 0.4μm
結果:金型の寿命が50%以上延伸。複雑な形状の再現性も大幅向上。
事例2 折れたタップの除去 — M3タップ、SKD11材
お客様の課題:SKD11の部品加工中、M3のタップが折れて穴に残った。穴径は2.5mmで、新しい工具も入らない。
放電加工での解決:細穴放電加工で、折れたタップを正確に除去。
穴径:M3(φ2.5mm)
加工時間:45分
タップ除去率:100%
結果:部品を救済。別途発注の必要がなくなり、納期短縮・コスト削減に。
詳細ガイド:折れたタップ除去 — 放電加工での完全対応
事例3 異形状貫通穴のワイヤー加工 — 複雑な外形も一度で
お客様の課題:薄板ステンレス(0.5mm)に複雑な異形穴を多数開ける必要がある。穴数が多く、高精度が必須。
放電加工での解決:ワイヤー放電加工で、複雑な外形と穴を同時に加工。
精度:±0.02mm
加工時間:2時間
穴数:18個
結果:複雑な形状を一度に加工でき、二次加工が不要に。歩留まり99%以上を達成。
放電加工のお見積もり・ご相談
形彫・ワイヤー・細穴すべて対応。図面1枚から最短即日回答。
放電加工の精度・面粗さ・加工限界
放電加工の精度一覧
以下は、各タイプの放電加工で実現可能な精度です:
| 放電加工タイプ | 実現可能な精度 | 表面粗さ(Ra) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 形彫放電加工 | ±0.02~0.05mm | 0.4~1.6μm | 複雑形状、金型向け |
| ワイヤー放電加工 | ±0.01~0.03mm | 0.2~0.8μm | 直線切断、高精度 |
| 細穴放電加工 | ±0.01~0.02mm | 0.1~0.4μm | 超微細穴、医療向け |
放電加工の加工限界
- 最小穴径:直径0.3mm(細穴放電加工)
- 最小線幅(ワイヤー):0.1mm程度
- 最大部品サイズ:機械による(当社では最大3m×2mまで対応)
- 加工深さ:理論上は無制限だが、深さが大きいと時間がかかる
- テーパー加工:ワイヤーのみ対応、通常0~15度程度
「微細加工でお困りの場合は、まず放電加工が対応できるかご確認ください。穴径0.3mmくらいの極小サイズでも、通常の切削では絶対に不可能な形状や精度も、放電加工なら可能な場合が多いです。」— GAP 加工技術者
詳細は以下のページをご覧ください:
放電加工の精度・表面粗さ完全ガイド
放電加工の費用相場と納期
放電加工の加工費用ガイド
放電加工の費用は、加工の「難易度」と「加工時間」で決まります。以下は一般的な相場です:
シンプル形状
費用相場:5,000~20,000円
単純な穴や凹み。加工時間30分~2時間程度。
中程度の複雑さ
費用相場:20,000~100,000円
複数の穴や複雑な形状。加工時間2~8時間程度。
超精密・複雑加工
費用相場:100,000~500,000円以上
超高精度や非常に複雑な形状。加工時間8時間以上。
放電加工の費用を左右する5つの要因
- 加工時間:長いほど高くなる。穴径が小さいと時間が増える
- 精度要求:精度が高いほど、調整・検査に時間がかかる
- 材料の種類:硬い材料ほど加工時間が長くなる
- 加工面の複雑さ:複数の工具電極が必要だと費用増
- ロット数:単発は費用が高く、複数ロットなら単価が下がる
放電加工の一般的な納期
- シンプル形状:1~3営業日
- 中程度の複雑さ:3~7営業日
- 超精密・複雑加工:7~14営業日
- 急ぎの場合:最短即日対応可能(別途相談)
詳しい費用情報は以下を参照:
放電加工の費用ガイド — 相場・見積もり・コスト削減
放電加工を外注するときのポイント
外注先選びの3つのチェックリスト
形彫・ワイヤー・細穴の全てに対応できる工場を選びましょう。対応範囲が広いほど、様々な加工ニーズに応じられます。
過去の事例で、あなたが必要とする精度(例:±0.01mm)の実績があるか確認してください。
短納期だけでなく、検査体制や品質管理の状況も確認が重要です。
外注先の2つのタイプ
放電加工専門工場
放電加工のみに特化。経験とノウハウが深く、複雑な加工条件にも対応できる。精度や納期で有利。
総合機械加工メーカー
切削、研磨、放電加工など複数工程に対応。多工程加工で便利だが、放電加工の深い経験は劣る場合も。
GAP 放電加工を選ぶメリット
- 形彫・ワイヤー・細穴のすべてに対応
- 愛知県での豊富な実績と経験
- 最短即日対応で見積もり・相談可能
- 写真1枚でも見積もり対応
- 折れたタップ除去、超硬合金加工などの特殊案件も得意
詳しい外注先選びのコツ:
放電加工の外注先選び — 専門工場の選び方完全ガイド
放電加工とは? よくある質問(FAQ)
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切削加工:回転工具やバイトが直接材料に接触して削ります。一般的で安価ですが、工具が欠けやすい硬い材料には不向きです。
放電加工:火花で削るため、工具が接触しません。非常に硬い材料や複雑な形状、微細な穴に対応でき、加工力がないため精密部品の歪みを防げます。
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放電加工の種類によって異なります:
- 形彫放電加工:±0.02~0.05mm
- ワイヤー放電加工:±0.01~0.03mm
- 細穴放電加工:±0.01~0.02mm
精密な調整により、さらに高精度な仕上げも可能です。精度・面粗さの詳細はこちら。
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費用は加工の複雑さと加工時間で決まります:
- シンプル形状:5,000~20,000円
- 中程度の複雑さ:20,000~100,000円
- 超精密・複雑加工:100,000円以上
正確な見積もりには、形状図面や材料情報が必要です。費用の詳細ガイドはこちら。
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加工時間は加工内容で大きく変わります。一般的な目安:
- シンプル形状:30分~2時間
- 中程度の複雑さ:2~8時間
- 超精密・複雑加工:8時間以上
納期は加工時間に加え、段取りや検査時間も含まれます。
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放電加工は「電気を通す導電性材料」なら対応可能です。具体的には:
- 鋼、ステンレス、アルミニウム
- 超硬合金(タングステンカーバイド)
- チタン、銅、真鍮、モリブデン
- 焼き入れ済みの硬い材料
セラミックス、プラスチック、ガラスなど、電気を通さない材料には不対応です。
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細穴放電加工:穴径0.3mm以下の極小サイズに対応。医療機器やインクジェット部品の微細穴加工に活躍します。
形彫放電加工:最小線幅は0.3~0.5mm程度。複雑な微細形状も可能です。
理論的にはさらに微細加工も可能ですが、精度や加工時間の関係から、実務的にはこれらが一般的な限界です。
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放電加工の主な欠点は:
- 導電性がない材料に不対応:セラミックス、プラスチック、ガラスなどは加工不可
- 加工時間が長い:複雑な形状や細穴は数時間~数日がかかる場合がある
- 加工条件の調整が難しい:経験豊富な技者が必要。設定を間違えると品質が低下する
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外注先選びのポイント:
- 3タイプ対応:形彫・ワイヤー・細穴すべてに対応できるか確認
- 精度実績:あなたの必要とする精度の実績があるか
- 納期と品質:短納期だけでなく、検査体制の充実度も確認
- コミュニケーション:細かな要望に対応してくれるか
詳細ガイド:放電加工の外注先選び完全ガイド
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はい、放電加工が最適な方法です。
穴に残った折れたタップは、通常の方法では取り出せません。しかし放電加工なら:
- タップを傷つけず正確に除去
- 元の穴を再利用可能
- 加工力がないため、周囲の材料を傷つけない
詳細は以下を参照:
折れたタップ除去 — 放電加工での完全対応
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