Twitterアカウント開設しました!フォローしてね!

放電加工と切削加工の違いと使い分け|現場から見た最適な加工判断とは?

「この加工、放電加工と切削加工のどちらが適しているのか?」

設計や加工現場では、こうした判断が日々求められます。
放電加工(EDM)と切削加工(フライス・旋盤など)は、どちらも金属加工の主力手段ですが、加工方法・適性形状・材質・コスト・精度・納期など、明確な違いがあります。

この記事では、両者の特徴を比較しながら、どんな時に放電加工を選ぶべきか/切削加工が有利かを実例ベースで解説します。


放電加工と切削加工の違い【比較表】

項目放電加工(EDM)切削加工(フライス・旋盤)
加工方式電気火花で金属を溶かす(非接触)工具で削る(接触式)
材質の制約導電性がある金属のみ加工可能金属・非金属(樹脂など)も加工可能
対応形状内部形状、深穴、極小コーナー等に強い外形や広面積、量産に向く
精度±0.01〜0.02mm±0.01〜0.05mm(材質・工具による)
表面粗さRa1.6以下まで調整可能工具状態に依存(Ra3.2前後)
加工速度遅め早い
コスト感工数・段取りが多くやや高め単純形状では比較的安価

放電加工が有利なケース

  • 焼入れ材や高硬度材(HRC60以上)への追加加工
  • 工具が届かない狭い溝や内部角部の加工
  • φ2mm以下の深穴・微細穴
  • 溶接・肉盛り後の仕上げ
  • 精密形状の再加工・補修

🛠 事例:焼入れ済みSKD11部品の内角修正

  • 【状況】内角Rが大きすぎて部品干渉 → R0.5を±0.015mmで追加加工
  • 【理由】切削工具が入らないため、形彫放電加工で対応
  • 【結果】3営業日で納品。再製作コストの約1/6に抑制

切削加工が有利なケース

  • 平面加工や外形形状、ポケット加工
  • 非金属(樹脂・アルミ・真鍮等)の加工
  • ロット数が多く、加工速度とコスト優先の場面
  • 大型ワークの荒加工〜中仕上げ

🛠 事例:アルミハウジングの外形+穴加工

  • 【内容】5面加工で公差±0.05mm
  • 【理由】切削加工の方がスピード・コストともに優位
  • 【結果】1日10個の安定量産体制を実現

放電と切削、どう使い分ければいい?

判断のポイントは以下の3点です:

  1. 材質の導電性と硬度(焼入れ材・難削材か?)
  2. 加工形状の複雑さと工具の侵入可否
  3. 要求精度と表面仕上げ、納期・コスト感

ポイント:両者の併用(前加工→切削、仕上げ→放電)も非常に効果的です。


当社ができること|最適な加工法を提案します

当社では放電加工を軸に、切削加工との併用提案・加工選定支援も行っています。

  • 焼入れ材への仕上げ・再加工 → 放電加工
  • 荒加工〜穴あけ → 外注切削+当社で最終仕上げ
  • 工具の届かない形状 → ワイヤーカットまたは形彫放電で対応

図面をいただければ、最も効率的かつ高精度な加工方法をその場でご提案します。

📩【お問い合わせはこちら】


    関連記事

    金型の一部改造・設計変更に対応可能|再製作不要でコストを抑える加工方法
    焼入れ鋼・難削材の高精度加工|放電加工で対応できる材質と限界とは?
    3Dプリンタ造形品・金型の修正加工放電加工で補修・仕上げに対応

    この記事が気に入ったら
    フォローしてね!

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    コメント

    コメントする

    目次